Chihiro Yonekura
30th Anniversary
Special Live

2026.1.24 @ 飛行船シアター

2026年1月24日、飛行船シアターで開催された「Chihiro Yonekura 30th Anniversary Special Live」は、米倉千尋の30年という時間を、懐古だけでは終わらせない構成で描き出した公演だった。本編16曲、アンコール3曲(うち2曲はメドレー構成)、さらに特典チケット購入者向けの限定コーナーで未発表曲1曲を加えた全35曲におよぶ、大ボリュームのステージとなった。

多彩な楽曲群を通して、その歩みの広さと、今なお更新されていく現在地が自然に伝わってくる一夜。30年を経て、さらに力強さと輝きを増す米倉千尋の圧巻の歌声が会場を包み込み、節目の祝祭であると同時に、その先へ向かう現在進行形の姿を鮮やかに印象づけた。30年の歩みを凝縮した一夜の模様を、公演の流れに沿ってお届けする。

OPENING

開演前、客席にはBGMが流れ、青いステージ照明が静かに空間を満たしていた。場内が暗転すると、背景には星空やオーロラを思わせる映像がSEと共に広がる。そこへバンドメンバーが現れ、続いて米倉千尋が逆光の中で中央へ。記念公演の幕開けを告げたのは、1曲目「10 YEARS AFTER」だった。背景には都市の夜景映像が映し出され、ライブの導入として、過去を振り返るだけではなく、今この場から始まるステージであることを印象づける立ち上がりだった。公演は米倉千尋と「ちひバンド」5人編成のバンドで進行していく。

冒頭MCでは、「皆さん、こんばんは!米倉千尋 30th Anniversary Special Liveへようこそ!」と元気に挨拶。30周年という節目を迎えられたことへの感謝が伝えられた。その余韻を受けて続いたのが、「Butterfly Kiss」「約束の場所へ」「僕のスピードで」。青い扇状の照明に包まれた「Butterfly Kiss」。「約束の場所へ」ではライブ恒例のタオルアクション。「僕のスピードで」では白い明るい照明とスモークの中で、バンドメンバーとのアイコンタクトも交えながら、序盤4曲の流れをきっちりとつないでみせた。

開演時のプロジェクション演出

DEVELOPMENT

4曲目後のMCでは、デビュー当時からの歩みに触れつつ、序盤の選曲について語る場面もあった。中盤に入ると「フェアリーテイル~約束の日~」「DEAR MY WAKER」「FRIENDS」と、異なる表情を持つ楽曲が続いていく。TVアニメ『フェアリーテイル』の主題歌として知られる「フェアリーテイル~約束の日~」では白と青の明るい照明が映え、「DEAR MY WAKER」では赤とオレンジの情熱的なライティングがステージを染める。TVアニメ『仙界伝 封神演義』EDテーマ「FRIENDS」は紫と青の落ち着いた照明から始まり、ここまでの勢いを受け止めつつ、次の大きな展開へ向かう足場を整えていた。

米倉千尋 パフォーマンス 星空とオーロラの演出

ANI-GAME SONG MEDLEY

その後に告げられたのが、30周年を記念したアニゲーソンメドレーだ。ここはこの公演の中でも、30年のキャリアを立体的に見せる場面として強い印象を残した。20分を超える壮大なメドレーは、ひとつの長い流れの中で楽曲ごとの表情が次々と切り替わっていく構成が鮮やかで、米倉の歩みの厚みと広がりを凝縮して伝えていた。

緑と青、淡いピンクと白、黄色、紫、青と、移り変わる照明もその流れを視覚的に支えていた。メドレー後のMCでは、安堵感をにじませながら、タイアップ作品にも触れつつ、選曲の意図を語る場面があった。

ANI-GAME SONG MEDLEY ステージ全景

CLIMAX

メドレー後、完走の余韻も冷めやらぬまま始まったのが「Pale Blaze」。プロジェクションマッピングのような映像演出とともに始まり、長いメドレーを経た後半の入口に新たな輪郭を与える。ここからライブは、さらに推進力を帯びていく。

続くブロックは、「ぱんでみっく!!」「恋せよ乙女!」「Little Soldier」「Sailing」「Return to myself」「WILL」という並び。MCを挟んで10曲目「ぱんでみっく!!」では一転、ハードかつポップな雰囲気に。米倉とバンドメンバーが揃いの振付を見せ、曲中にはバンドメンバー紹介も行われた。各パートのソロ演奏を交えた見せ場が作られ、ステージ上の連帯感が伝わってくる。

11曲目「恋せよ乙女!」ではハイテンポな楽曲に乗せて拳を突き上げる米倉の姿があり、客席は赤いペンライトで応戦。12曲目「Little Soldier」はオレンジと黄色の暖かい照明のもと、意志の強さを感じさせる楽曲として届けられた。「Sailing」の前にはコール&レスポンスの場面があり、「みんなの声を聴かせて!」という呼びかけに続いて「WOW WOW」の掛け声が重ねられ、そのまま帆船のシルエットを背景にした本編へ。さらにカラフルなドット光が印象的な「Return to myself」を経て、ピアノから始まる代表曲「WILL」へ至る流れは、本編終盤の山場として機能していた。

米倉千尋とバンドメンバー ちひバンド 演奏シーン アンコールの米倉千尋 アンコールで盛り上がる会場

FINALE

『WILL』の後半では、プロジェクションマッピングによって牡丹の花や鶴が舞い、幻想的な世界観を描き出した。歌唱を終えた米倉が深く一礼し、『ありがとう』と応えると、場内は本編最後のMCへ。30周年のキャリアを振り返りながら、『夢を見るから人生は輝く』と語り、夢を抱き続けたからこそ歌手としての歩みがあり、その中で得た多くの出会いへの感謝を静かに、そして力強く伝えた。

さらに「永遠」という言葉の解釈にも触れ、デビュー当時には先のことが見えていなかったこと、今この瞬間に皆とこの場所にいられることが「永遠」の形だと感じていること、そしてこの扉の先も一緒に歩いていきたいことを、丁寧に言葉にしていく。その思いを受けて、本編最後の曲として紹介されたのが「永遠の扉」だ。青い照明の中で始まったこの曲は、中盤から背景いっぱいに宇宙の星々が広がる演出へと展開し、本編の締めくくりにふさわしいスケール感をまとっていった。

FINALE ライブ会場全景

ENCORE

本編終了後、アンコールを待つ手拍子を経て、米倉は白のアンコールTシャツ姿で再登場する。感謝の挨拶とグッズ紹介のあとに始まったのは、アニソン・ゲーソン以外の人気曲で構成されたメドレーだ。本編とは異なる軸で選ばれたこのブロックは、30年の歩みの広がりを別の角度から見せる役割を担っていた。明るい照明の中、米倉はステージ左右を大きく使いながら歌い、軽快なポップサウンドへと表情を切り替えていく。

メドレーの後には、全体への感謝を伝えるMCを挟み、「Just Fly Away」を披露。黄色い照明の中で力強いボーカルが響き、アンコール終盤の推進力をさらに高めていく。

ANNOUNCEMENT

そして続くMCでは、スクリーンを用いた重大発表が行われた。ここで明かされたのは、「嵐の中で輝いて / 永遠の扉 -30th ver.-」の両A面配信シングル制作決定と、「Chihiro Yonekura 30th Anniversary Asia Tour 2026」開催決定の2つ。30周年の記念公演の終盤に置かれたこの発表は、ライブを振り返るだけではなく、この先へと視線をつなぐものとして機能していた。

LAST

ラストを飾ったのはデビュー曲「嵐の中で輝いて」。盛大な花火の映像による演出の中で披露され、締めでは30周年にちなんだ30回ジャンプも行われる。そして何より印象的だったのは、曲中に会場にオーディエンスの歌声だけが響く感動的な場面だ。ステージと客席の思いがひとつになったその瞬間は、この日のライブのクライマックスとして深く胸に刻まれた。

終演時には出演者全員で手をつないで一礼し、その後、米倉が最後に一人残って生声で感謝を伝えて退場した。大仰な演出で余韻を引き延ばすのではなく、最後は言葉と佇まいで着地する。その終わり方もまた、この公演の印象を静かに深めていた。

嵐の中で輝いて 花火の演出 フィナーレの花火演出

SPECIAL

本編と通常アンコール終了後には、特典チケット購入者向けのコーナーも設けられた。トーク後、30周年への思いをこめて書き下ろした未発表曲「Thank you, bright days」を披露。スクリーンに歌詞を投影し、デモ音源による歌唱で届けられたこの曲には、アウトロで合唱パートも用意されている。歌唱後にはアジアツアー等の告知とファンへの感謝も改めて伝えられた。公演本編の外側に置かれたこのコーナーまで含めて、この日のライブは、30年の蓄積を振り返りながら、その先へ向かう現在進行形の時間として結ばれていた。

未発表曲 Thank you, bright days の歌唱シーン

CONCLUSION

締めくくってみれば、この公演の印象を決定づけていたのは、代表曲を並べるだけではない構成の巧みさだった。冒頭の楽曲群でライブの輪郭を示し、中盤ではアニゲーソンメドレーでキャリアの厚みを浮かび上がらせ、本編終盤は「WILL」から「永遠の扉」へと重心を移す。さらにアンコールでは別の文脈から楽曲の広がりを見せ、最後には新たな告知へとつなげてみせた。曲数の多さだけでなく、照明・映像・MCのそれぞれが楽曲と丁寧にリンクした演出設計であった。

そして節目の公演でありながら、視線は常に「これまで」と「これから」の両方に向いていた。全35曲を全力で歌いあげ、ステージを走り回り、会場を鼓舞し続けた米倉の圧倒的なパワーに、観客は大いに魅了された3時間を超えるライブだった。そのバランスこそが、この日の飛行船シアターに残った最も大きな印象だった。

客席バッグ

SETLIST

公演セットリストをSpotifyにて公開!

Spotify Playlist

※本プレイリストはライブのセットリスト順に構成していますが、一部楽曲は配信の都合により未収録となっております。

MAIN STAGE
  • 0110 YEARS AFTER
  • 02Butterfly Kiss
  • 03約束の場所へ
  • 04僕のスピードで
  • 05フェアリーテイル~約束の日~
  • 06DEAR MY WAKER
  • 07FRIENDS
  • 08ガンダムに愛を込めて
  • 09FEEL ME
  • 10Birth of light
  • 11Bridge
  • 12未来の二人に
  • 13WINTER WISH
  • 14愉快な鼓動
  • 15永遠の花
  • 16InFINITE Line
  • 17陽のあたる場所
  • 18Pale Blaze
  • 19ぱんでみっく!!
  • 20恋せよ乙女!
  • 21Little Soldier
  • 22Sailing
  • 23Return to myself
  • 24WILL
  • 25永遠の扉
ENCORE
  • 26オレンジ色のKissをあげよう
  • 27犬と赤いフリスビー
  • 28ライラ・ライラ・ライ
  • 29いつの日か
  • 30夏の終わりの花火
  • 31桜色の街
  • 32トムソーヤの冒険
  • 33Just Fly Away
  • 34嵐の中で輝いて
SPECIAL
  • 35Thank you, bright days

CAST

米倉千尋
Vo. 米倉千尋
高山和芽
Key.高山和芽
五十嵐勝人
Gt.五十嵐勝人
岡野大介
Drs.岡野大介
小板良輔
Gt.小板良輔
古谷圭介
Ba.古谷圭介

30th Anniversary Information

SINGLE

嵐の中で輝いて / 永遠の扉 -30th version-
両A面配信シングル 制作決定!

ASIA TOUR

Chihiro Yonekura 30th Anniversary Asia Tour 2026
〜アジアの中で輝いて〜

2026年5月28日(木) 香港  Portal
2026年6月14日(日) 台北  三創生活園区 CLAPPER STUDIO
2026年6月21日(日) 日本  浅草花劇場
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